ユーザー層から集客方法を考えてみよう


自分のお店に来てほしい、自社サービスを使ってもらいたい、自社製品を購入してもらいたいなど、ビジネスを成功させるには、とにもかくにもお客さんが必要です。
未来のお客さんに対してどのようにアプローチすれば集客につながるのかは、マーケティング目線で様々な分析をして考えなければいけません。
今回はその中から、お客さんの関心の度合いで分類する「ユーザー層」という観点から考えてみましょう。
 

ユーザー層と集客方法

ここで言うユーザー層とは実際のお客さん、顧客になる前の段階を指し、大きく分けて「認知層」「潜在層」「顕在層」の3層があります。
それぞれのユーザー層の特徴と、有効な集客方法を順に見ていきましょう。
 

認知層とは

自社の扱っている商品、サービス、ブランド名を知らず、それを必要とする悩みやニーズも感じていない層です。
この層のユーザーは能動的に何かを探しているわけではないので、認知してもらうためにはプッシュ型広告が有効です。
 
プッシュ型広告とは、不特定のユーザーに向けて広告主が一方的に発信する広告で、テレビCMやチラシ、バナー広告やメルマガなどがあります。
この方法は、ユーザーの目の止まる所に広告を出し続けることで名前やニーズを刷り込んでいくため、大量かつ継続的な露出に効果が出やすく、多額の費用がかかります。
 

潜在層とは

自社の扱っている商品、サービス、ブランド名の存在を知っており、それで解決できる悩みも抱いているのに、この2つが結び付いていない層です。
この層のユーザーは興味のある情報は取り入れるので、ユーザーの悩みを解決できる自社の情報を発信し、自社に対してのニーズを感じてもらう集客方法が有効です。
 
例えばプッシュ型のマス広告よりも、ターゲッティングされた範囲に向けたソーシャルメディアやアプリでの広告や、記事コンテンツなどです。
この方法は認知層に向けた広告よりも費用を抑えることが可能ですが、ターゲット層の明確化とコンテンツ力が必要になります。
 

顕在層とは

自社の扱っている商品、サービスが自分に必要であるというニーズを感じており、自社のブランド名も知っている層です。
この層のユーザーは積極的に情報収集をしており、同業他社と比較検討を繰り返しているため、プル型広告が有効です。
 
プル型広告とは、ユーザーが興味のある事柄を検索した際に、自社が候補となることを目的とする検索連動型広告やSEO対策などです。
この方法は成約に直結しやすいですが、他の層に比べてユーザー数が少ないことと、すでに自社よりも知名度や関心度が高いライバルがいると、勝負をしにくいのが難点です。
 

集客で大事なこと

プッシュ型・プル型いずれの広告も、大量に費用を投入すれば即時性の高い効果が見込めますが、広告を止めるとユーザーも減るという傾向があります。
一方、記事コンテンツや口コミでの集客は、実際に結果が出るまで時間がかかりますが、一定値まで広まると人が人を呼び、長く効果が出やすい傾向があります。
 
そして広告・コンテンツ・口コミいずれの方法においても重要なのは、その商品やサービスの必要性(ニーズ)だけを説くのではなく、「今それが欲しい」と感じさせるウォンツに訴えかける何かが必要であるということです。
その何かが同業他社のどこにでもあるようなものだと、いくら広告費をかけても、その効果は同業他社全体に分散してしまいます。
業界全体が盛り上がることも良いことではありますが、自社にしかない強みが明確であれば、最後に自社を選んでもらうもらえませんし、人に紹介するきっかけにもなりにくいのが現実です。この辺りはまた別の機会に詳しくお話します。
 

ユーザー層の構造

ユーザーファネル構造ではここまでで見てきたユーザー層を構造からおさらいしてみましょう。
ユーザー層は漏斗(じょうご)を意味するファネルの構造になっているので、逆三角形の図で説明されていることが多いのですが、今回はそれをもう少し具体的にイメージ化しました。
そしてその先で実際にお客さんになった時の、顧客層が他の層に与える影響についても合わせて考えます。

ファネル構造の考え方

漏斗は自社ビジネスのターゲットです。
まずどのようなビジネスも、それができてすぐは誰にも知られていないため、「認知層」は漏斗の外すべてを指すと考えられます。
まずやらなければいけないのは、より多くの人をこの漏斗の中に入れる、つまり名前を知ってもらうということです。
その時に、自社が扱っている業界の市場規模が大きいと、たくさんのユーザーをターゲットにすることができます。
 
漏斗の形は、横軸が数、縦軸が関心度を示しています。
どの業界においても、関心が低い層ほど人数が多く、関心が高い層ほど人数が少なくなっていきます。
そのため潜在層の中にも、認知層に近い層と顕在層に近い層で違いがあるので、細かく分けてマーケティングする場合もあります。
 
この漏斗で人数が絞られ、関心度が高まった濃度の高い1滴が、お客さんとなります。ビーカーの中は顧客層ですね。
この中にも層があり、一番上はライトユーザー層、一番下の濃い部分にはコアユーザー、ファン層があります。
 
これまで顧客はできるだけ囲い込もうということで、下の顧客層も三角フラスコ型で考えられることが多かったのですが、今の時代は入口が閉じていないビーカー型が向いているように感じます。
顧客の生の声は「口コミ」として、良い声も悪い声も関係なくどんどん自由に外に出て、あらゆる層の販売行動に影響を与えていますよね。
その声ができるだけ良いもので埋まっていくように、ファン層を増やすことが重要と言えるでしょう。
 

口コミを広げるためには?

消費者が影響を受けやすいのが利用者のリアルな口コミですが、その中でもブログ・SNS・リアルなネットワークで発信力や影響力の強い人はインフルエンサーと呼ばれ、その人たちに謝礼を払い記事を書いてもらう広告手法があるほど重要な存在になっています。
ですがさらに時代が進み、消費者はやらせ的なものに敏感になってきていますので注意が必要です。
 
<消費者に嫌われやすい例>
・自社サイトに架空の利用者の声を載せる
・自社サイトに利用者の良い声だけを載せる
・情報サイトでサクラに口コミを書いてもらう
・インフルエンサーに意図的に良いアピールだけしてもらう
・アフィリエイトブロガーに意図的に良いアピールだけしてもらう
・SNSユーザーに懸賞目的だけでアクションされる
 
<消費者に好かれやすい例>
・自社サイトに利用者の声をすべて載せる
・情報サイトで自然な口コミが載る
・インフルエンサーから自然に比較検討や紹介をされる
・ブロガーから自然に比較検討や紹介をされる
・SNSユーザーから自然にシェアされる
 
すべての人に愛されることは難しいため、悪い声を完全になくすということはできませんが、それにフタをしてはいけません。
できることは、自社の商品・サービスがどうような人のためのものであるのかターゲット層を明確に絞り、見当違いの悪い声を減らすこと。
そしてターゲット層からの悪い声は改善の余地ともとして真摯に受け止めること、この2点ではないでしょうか。
 
このように見ていくと、SEOの話で見た「RankBrainに好かれるサイトにする」と同じですね。
自社のアピールポイントを宣伝すること自体は必要ですが、過度な表現やユーザーをだますような手法はNGです。
良いものは自然に広がるものなので、小手先の手段に頼り過ぎないようにしましょう。
 

だからと言ってプロモーションが不要で、ただひたすら待っていれば良い訳ではありません。
口コミが自然に広がやすいような受け皿的プロモーションは重要です。
 
自社の特徴やコンセプトがターゲット層に明確に伝わるようなホームページや各種SNSアカウントは準備していますか?
シェアされやすい、人に伝えたくなる情報をSNSやブログで定期的に発信していますか?
各種情報サイトに載っている情報が正確で、口コミにも返事をしていますか?
などなど、できることはたくさんあります。
 
何から始めていいかわからないという方は、どうぞStudioAKまでご相談ください。