実は簡単なGoogle検索アルゴリズム(パンダとペンギン編)


ホームページを持ったらSEO対策が必須!とSEOという言葉が一人歩きをして、かつてはコンテンツの内容に関わらず無理矢理に検索順位を上げることだけを良しとしていた時代がありました。
その結果、検索ユーザー目線では「自分の欲しい情報が見つからない」という状態に陥ってしまいました。

 

そこでGoogleが行ってきた検索ユーザーに満足してもらうための涙ぐましい努力の歴史こそが、Google検索アルゴリズムアップデートの歴史です。
大幅なアルゴリズム改善の度に検索ランキングは大きく変動し、その対策にサイト運営者は右往左往してきました。

 

それもいまや過去の話で、現在は人工知能によって日々小さな更新・改善が行われ、検索ユーザーに合わせて検索結果が変わるパーソナライズド検索、検索位置に合わせて検索結果が変わるローカライズ検索によって、検索順位は検索する度に毎回変わる時代となりました。

 

だからといってSEO対策が何もできないわけではありません。
日々の小さな検索順位の変動に一喜一憂せずに、Googleが目的としている「検索ユーザー目線での満足度」の観点から常にサイトを考えれば良いのです。

 

その観点に立つために、これまでGoogleが行なってきた検索アルゴリズムアップデートの歴史を、内容別に振り返ってみましょう。

 

そのサイトはユーザーのため?ロボットのため?

Googleの検索アルゴリズムアップデートでよく耳にするが「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」です。
その他のアップデートでもこの2つのどちらかに近いものとして分類できるものがあるので、今回はその2つに沿って見ていきます。

パンダアップデート

Googleパンダアップデート

「コンテンツの質」に関するアルゴリズムのアップデートがパンダアップデートです。
簡単に言うと、コピペだけでつくったコンテンツの価値は認めませんからね!という仕組みです。
2012年7月から複数回行われてきましたが、2016年1月にはコアアルゴリズムに組み込まれたことがGoogleより発表され、現在では日々更新されています。

 

ちなみになぜ「パンダ」という名前が付いているかというと、アルゴリズム改変の中心となったエンジニアの名前がBiswanath Panda(ビスワナス・パンダ)さんだったからだそうです。

 

Googleの品質に関するガイドラインによると、質の低いと評価される可能性があるサイトは以下のように定義されています。

 

<自動生成されたコンテンツ>
検索キーワードを含んだ文章をプログラムによって大量に自動生成しているが、文章自体の意味はなさずにユーザーの役に立たないコンテンツ

 

<コピーコンテンツ>
他サイトからのコンテンツの無断複製により、オリジナルコンテンツや独自の付加価値がないページ

 

<アフィリエイトサイト>
アフィリエイトのためだけに販売元から商品の説明とレビューをコピーし、オリジナルコンテンツや独自の付加価値がないページ

 

パンダアップデートに近いものは他にも、まとめサイトのように引用文だけで内容が薄いサイトの評価を下げる2015年5月のクオリティアップデートや、医療や健康に関する検索結果では専門性や信頼性の高いサイトの評価を上げる2017年12月の医療アップデートなどがありました。

 

ペンギンアップデート

Googleペンギンアップデート

「リンク操作」に関するアルゴリズムのアップデートがペンギンアップデートです。
簡単に言うと、検索順位上げるためにユーザーをだましたらダメですよ!という仕組みです。悪質な場合には検索結果から除外されるペナルティを受けてしまいます。
2012年4月から複数回行われてきましたが、こちらもパンダアップデート同様に2016年9月以降コアアルゴリズムに組み込まれたことで、現在では日々更新されています。

 

パンダに続きなぜ「ペンギン」という名前が付いたかというと、こちらは人名に由来したものではなく、パンダと同じように白黒がはっきりしているため選ばれたとのこと。
ブラックなサイトとホワイトなサイトの評価がはっきり分かれることを意味しているようです。

 


Googleの品質に関するガイドラインによると、低評価やペナルティを受ける可能性があるサイトは以下のように定義されています。

 

<リンクプログラムへの参加>
相互リンクのみを目的としたページの作成、売買によるリンク、質の低いリンクサイトからのリンクがあるサイト

 

<クローキング>
検索ユーザー向けと、検索クローラーロボット向けに異なるコンテンツを表示するサイト

 

<不正なリダイレクト>
ユーザーが検索結果とはまったく別のコンテンツに転送され、クローキング同様に人間とロボットで違うコンテンツが表示されるサイト

 

<キーワードの乱用>
ユーザーには見えない隠しテキスト(白背景に白文字など)でキーワードを埋め込んだり、不自然に同じ単語を繰り返すこと

 

<その他悪意のある動作>
ウイルス、マルウェアのインストール、ポップアップ広告、ユーザーの意図しないリンククリックなど、悪意のある動作を伴うページがあるサイト

 

ペンギンアップデートに近いものは他にも、スパムが多い特定のキーワードの検索結果からスパムを行なっているサイトにペナルティを与える2014年12月のペイデイローンアップデートや、検索エンジンのためだけに作成された誘導ページについてペナルティを与える2015年3月のドアウェイアップデートなどがありました。

 

ユーザーのためだけにコンテンツをつくればいい?

以上のようなアップデートの経緯を見てくると、ユーザー目線にだけ立てばいいのか!と思いがちなのですが、人工知能が搭載されたとはいえ、世界中のサイトを巡回してその内容を判別しているのは、あくまでクローラーのロボットです。
そのため、ロボットがわかりやすいように心掛けることも大切です。

 

例えば口語で代名詞やひらがなばかりの文章の場合、人間が見れば意味がわかりますが、ロボットが見たときに何が書いてあるかわかりにくいため、結局ユーザーの元に届きづらくなってしまいます。
細かなロボット向けの施策は色々とありますが、まず「正しい文法」と「明確な表現」で文章を作ると、ユーザーにもロボットにも優しいコンテンツとなります。

 

ホームページを運用する中で本格的なSEO施策をしていこうとすると難しい専門用語が出てきたりしますが、本質はシンプルで簡単なんです。
オリジナルのコンテンツを誠意を持ってわかりやすく伝える、ただそれだけです。