これまで2回にわたって、GoogleのAIアシスタント機能「Gem」が2026年10月20日に廃止されるとの報道と、今のうちにやっておきたい備えについてお伝えしてきました。今回は、もし実際にGemが廃止された場合に、代わりになりうる主なAIツールをご紹介します。
代替を考える前に、前回の「棚卸し」を思い出す
前回の記事で、「業務のどこでGemを使っているか」を洗い出していただきました。実は、代わりのツールを選ぶうえで一番大事なのは、この棚卸し結果です。文章作成中心なのか、資料を読み込ませて使うことが多いのか、社内で使っているシステム(Google WorkspaceかMicrosoft 365か)は何かによって、相性の良いツールは変わってきます。以下の選択肢を読みながら、「うちの場合はどれが近いか」を意識してみてください。
選択肢①:Googleの後継機能「Skills」へ移行する
もっとも自然な選択肢は、Google自身が用意している後継機能「Skills(スキル)」への移行です。
- 概要: Gemの後継として案内されている新機能。指示や役割を「Skills」として登録する仕組みで、考え方自体はGemに近いとされています
- 現状: 現時点ではGoogle AI Pro/Ultraという有料プランへの加入が必要とされ、対応地域も限定的(欧州経済領域・英国・スイス・ナイジェリアでは現状利用できないと報じられています。日本はこの除外リストには含まれていません)
- メリット: 使い慣れたGoogleアカウント、Gmail・Googleカレンダーなどとの連携をそのまま活かせる可能性があります
- 注意点: まだ提供状況が流動的で、今後、料金や対応地域の条件が変わる可能性があります
選択肢②:ChatGPTの「カスタムGPT」を使う
OpenAIのChatGPTにも、指示や参考資料を登録して呼び出せる「カスタムGPT(GPTs)」という機能があります。
- 有料プラン(Plus以上)が前提の機能ですが、「指示を登録して繰り返し呼び出す」という考え方はGemと近く、移行の際にイメージがつかみやすいのが利点です
- 文章作成やアイデア出し、リサーチ系の業務との相性が良いとされています
- ChatGPTを既に他の用途で使っている会社であれば、追加の学習コストが少なく済む可能性があります
選択肢③:Claudeの「プロジェクト」機能を使う
Anthropic社のAI「Claude」にも、指示や参考資料をまとめて登録し、繰り返し呼び出せる「プロジェクト」という機能があります。
- 大量の資料(過去の議事録、マニュアル、商品情報など)を読み込ませたうえで、それをふまえた文章を作る、といった使い方に強みがあるとされています
- 長文の資料を扱う機会が多い業務(提案書作成、社内マニュアル整備など)を検討している場合は、選択肢に入れる価値があります
選択肢④:Microsoft 365を使っているならCopilotのエージェント機能
普段からMicrosoft 365(Word、Excel、Outlookなど)を業務で使っている会社であれば、Copilot上で使えるエージェント機能も選択肢になります。
- 既に使っている業務ファイルやメールとの連携がしやすいという利点があります
- Google Workspace中心ではなく、Microsoft 365中心で業務が回っている会社には、こちらのほうが導入のハードルが低い場合があります
結局、どれを選べばいいのか
ここまで4つの選択肢を紹介しましたが、「これが正解」という単一の答えはありません。業種、普段使っているシステム(Google WorkspaceかMicrosoft 365か)、どんな業務に使いたいかによって、最適な選択肢は変わります。
一つに絞り込む前に、複数のツールを少しずつ試してみて、実際の使い勝手を比較してから決める、という進め方もおすすめです。無料プランやお試し期間が用意されているツールも多いため、前回洗い出した「よく使う業務」を1つか2つ選んで、実際に試してみるとよいでしょう。
とはいえ、日々の業務で忙しい中、複数のツールを比較検討する時間を確保するのは簡単ではありません。自分たちだけで判断がつかない場合は、外部の専門家に相談しながら整理するという方法もあります。
まとめ
- Gemの代わりになりうる選択肢として、Google自身の後継機能「Skills」のほか、ChatGPTの「カスタムGPT」、Claudeの「プロジェクト」、Microsoft Copilotのエージェント機能などが挙げられます
- どれが最適かは、業種・普段使っているシステム・使いたい業務によって変わるため、「これが正解」という単一の答えはありません
- 前回洗い出した「よく使う業務」をもとに、気になるツールを1つか2つ、実際に試してみることをおすすめします
どのツールが自社の業務に合うかは、業種や普段お使いのシステムによって変わります。StudioAKでは、ClaudeCode・Gemini・Google AI Studioなどの生成AIツールを実際に使いながら、中小企業の業務効率化・DX化のご相談を承っています。「結局うちはどれを使えばいいの?」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

